2009年3月30日月曜日

ブラジルへ行ってきました(1)

 3月2日より15日、ブラジルへ行ってきました。 

今回の訪問の第一の目的は、昨年研修生の受け入れを行ったJICAのプロジェクトの関連で、アマパ州アマゾン川流域における自然養豚の指導です。
 JICAのプロジェクトの本来の目的はアマゾンの森を守り、川岸住民の生活を向上させる事ですが、その森林の畑に放し飼いの豚が侵入してくるので、囲い込む必要が生じ、アマゾンの自然を守る養豚法として自然養豚が導入されることになったのです。

 写真のように、この辺では、豚は家の周辺を適当に歩き回っているのが一般的です。一生懸命掘っているのは、ミミズを食べるためです。











 この地域は海から500km.以上入ったアマゾン川の支流沿いですが、潮の満ち引きの影響で、一日に二回浸水します。また一年を通しても雨期と乾期がある地域なので、写真にように住居は高床式です。
 昨年の研修生として来日したのは、州政府が派遣した、日本で言えば農業改良普及所の所長及び部長にあたる人たちで、日本に来る前は、「糞取りをしないで、さらに発酵床がエサに変わる」と聞き、信じなかったそうです。ところが、日本に来て実際に自然養豚の豚舎を見て驚いたそうです。帰国後さっそく村の人達を集めて講習会を何度か開き、豚舎が建てられました。今回は子豚が導入されたので、見に来て欲しいという事で行くことになりました。本当は趙先生を案内したかったのですが、出来ませんでした。

 アマゾン川は想像以上に広く、海のようでした。いつも川風が吹き渡っているので、常夏と言っても、とても過ごしやすかったです。












船で各家を回りました。案内してくださったのは、JICAのアグロフォレストリー専門家である高松寿彦氏で、同行したのはアマパ州森林院長、州農業改良普及所技術者など7名です。










 写真は、その時の船です。桟橋に干してあるのはミリチ椰子で、殻が固いので特別な粉砕機で細かくして、豚のエサにします。


これは、さらに支流に入ったときに載った船外機付きボートです。これはJICAの持ち物です。スピード抜群で、揺れもなく、乗り心地は良かったです。








なんと言っても、ここアマゾンでは船が重要な交通手段です。

子ども達も小さな船を上手に操っています。日本で言えば自転車感覚です。学校もスクールバスではなく、専用の船が送り迎えします。

小さな豚舎に子豚が2~4匹入っていました。定期的に川の増水があるので、住居と同じ高床式です。そこに発酵床を作ったのです。






 エサは周囲にある果実や種、バナナの葉や茎などです。色々問題はありましたが、とりあえず発酵床は臭いもなく順調でした。
 バナナの茎や葉は、そのままだと豚はあまり食べませんが、発酵飼料にするとよく食べるようになります。写真はその実習の様子です。

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