2009年10月5日月曜日

第15回自然農業全国大会及び総会がありました(2)

 連作障害なしのゴボウ



 翌日の9月4日は現地見学会です。まずは地元五泉市べとの会の大関眞也さんの畑に行きました。「べと」というのはこちらの言葉で「土」という意味だそうです。土を大事にしようという事で名付けられました。

 案内してくれたのは、五泉市を流れる阿賀野川沿いの畑でゴボウを栽培していました。ここは、10年以上前にも見学した畑でした。土の状態を見て堆肥をときどき入れる程度で、化学肥料や農薬は使用していません。ゴボウは連作障害で悩む人が多いそうですが、大関さんの畑では問題ないそうです。

  「趙先生に怒られるかもしれませんが、この機械で掘ってます」と大関さん。掘った後の1m.くらいの深さの溝に入って、残っていたゴボウを掘って、見せてくれました。






 ゴボウの隣は人参の畑でした。めずらしい黄色い人参も植えられていました。甘いので、生でサラダなどに向いているそうです。






 大関さんの野菜はすべて新潟の生協に出荷しています。















 養鶏と稲作で複合経営

 次の伺ったのは新潟市豊栄の宮尾浩史氏の鶏舎です。宮尾さんの鶏舎は宮尾さんの栽培する田んぼのそばにあります。自然養鶏では床に稲ワラを敷きます。また、モミガラも育雛箱の断熱剤や産卵箱、また産卵率を抑制するためにエサの中に混合するのにも使用されます。



 逆に鶏舎から出る土着微生物で発酵した床は、極上の堆肥として田んぼに使用されます。稲作と養鶏はこの様に密接に繋がっています。土着微生物を通した連携として、鶏の健康を守り、農業資材の経費節減に役立っているのです。



 趙先生が若い鶏の方の床の状態を見て、「床は基本的にはいいんだけれども、少しエサに塩分が足りないのじゃないかと思います」と言いました。床の醗酵の状態を見て、鶏の健康がわかるのだそうです。宮尾さんの話では、田んぼに掘り出し過ぎたのかもしれない、との事でした。その後、雛を入れているので、まだ床の醗酵が充分でないのでしょう。



 成鶏の鶏舎の床はとてもいい状態だそうです。言われて比べてみると、確かに床の状態が違います。改めて、鶏舎の床の管理の大切さを知りました。
 その後、宮尾さんのお宅へ伺ってお昼をご馳走になりました。いつも宮尾さんのお宅へ伺ったときに、お願いすると、お母さんや奥さんが心づくしの食事を用意してくださいます。玄米と野菜がたっぷりのおかず。それに宮尾さんの鶏の肉もおいしい!
 宮尾さんのお父さんは卵やお米の配達をなさっています。家族みんなで仲良く、農業に取り組む姿がとても印象的です。「家族
仲良く」が自然農業に基本だな、という事を改めて感じました。

第15回全国大会及び総会がありました(1)

 去る9月3日~4日に、新潟県五泉市のホテル丸松において第15回全国大会及び総会がありました。地元の方を含め約70名の参加でした。





 総会において、新旧会長の宮崎増次氏の挨拶と事務局の姫野より2008年度の活動報告及び会計報告があり、承認されました。






 全国大会では、日本巨峰会会長の赤坂芳則氏の講演があり、稲作を中心とした栄養週期栽培の取り組みについてお話しされました。











 栽培だけでなく、販売方法のいろいろと研究、工夫されており、参加者の関心を引きました。写真は、無洗米を1合ずつ袋に詰めたもので、小家族や独身者には便利な包装です。

 最後に同じ栄養週期栽培を学び、実践するもの同士、今後おおいに交流していきたいとのお話がありました。次に姫野による韓国ツアーの報告及び各地の役員による今年の実践報告が行われました。











 次ぎに趙漢珪先生の講演がありました。昨年暮れと今年2回も脳梗塞で倒れたという趙先生の健康が気遣われましたが、皆の熱気でだんだんと声も大きくなり、情熱的な講演が行われました。韓国での自然農業の取り組みの拡大及び深化が趙先生を奮い立たせているようでした。
 今回趙先生は奥様と娘さんを伴って来日されましたが、娘さんの趙珠榮(チョー・チュヨン)さんを自然農業研究院の後継者として紹介しました。趙珠榮さんは現在、趙先生と共に国内だけでなく、海外においても指導にまわっています。

左の写真は参加者の皆さんです。下の写真は趙先生と握手をする巨峰会の赤坂会長です。