連作障害なしのゴボウ
翌日の9月4日は現地見学会です。まずは地元五泉市べとの会の大関眞也さんの畑に行きました。「べと」というのはこちらの言葉で「土」という意味だそうです。土を大事にしようという事で名付けられました。
案内してくれたのは、五泉市を流れる阿賀野川沿いの畑でゴボウを栽培していました。ここは、10年以上前にも見学した畑でした。土の状態を見て堆肥をときどき入れる程度で、化学肥料や農薬は使用していません。ゴボウは連作障害で悩む人が多いそうですが、大関さんの畑では問題ないそうです。
「趙先生に怒られるかもしれませんが、この機械で掘ってます」と大関さん。掘った後の1m.くらいの深さの溝に入って、残っていたゴボウを掘って、見せてくれました。
ゴボウの隣は人参の畑でした。めずらしい黄色い人参も植えられていました。甘いので、生でサラダなどに向いているそうです。
養鶏と稲作で複合経営
次の伺ったのは新潟市豊栄の宮尾浩史氏の鶏舎です。宮尾さんの鶏舎は宮尾さんの栽培する田んぼのそばにあります。自然養鶏では床に稲ワラを敷きます。また、モミガラも育雛箱の断熱剤や産卵箱、また産卵率を抑制するためにエサの中に混合するのにも使用されます。
逆に鶏舎から出る土着微生物で発酵した床は、極上の堆肥として田んぼに使用されます。稲作と養鶏はこの様に密接に繋がっています。土着微生物を通した連携として、鶏の健康を守り、農業資材の経費節減に役立っているのです。
趙先生が若い鶏の方の床の状態を見て、「床は基本的にはいいんだけれども、少しエサに塩分が足りないのじゃないかと思います」と言いました。床の醗酵の状態を見て、鶏の健康がわかるのだそうです。宮尾さんの話では、田んぼに掘り出し過ぎたのかもしれない、との事でした。その後、雛を入れているので、まだ床の醗酵が充分でないのでしょう。
成鶏の鶏舎の床はとてもいい状態だそうです。言われて比べてみると、確かに床の状態が違います。改めて、鶏舎の床の管理の大切さを知りました。
その後、宮尾さんのお宅へ伺ってお昼をご馳走になりました。いつも宮尾さんのお宅へ伺ったときに、お願いすると、お母さんや奥さんが心づくしの食事を用意してくださいます。玄米と野菜がたっぷりのおかず。それに宮尾さんの鶏の肉もおいしい!
宮尾さんのお父さんは卵やお米の配達をなさっています。家族みんなで仲良く、農業に取り組む姿がとても印象的です。「家族
仲良く」が自然農業に基本だな、という事を改めて感じました。
仲良く」が自然農業に基本だな、という事を改めて感じました。