2008年3月17日月曜日

済州島自然農業畜産視察ツアーに行ってきました(1)

  3月7日から9日、韓国済州島畜産視察ツアーに行ってきました。自然農業の養鶏、養豚、繁殖牛の現場をつぶさに見て来て、改めて自然農業のすばらしさ、土着微生物のものすごいパワーに驚きました。畜産と組み合わせた柑橘や野菜栽培を行っている会員農家の方の取り組みなど、簡単に紹介するにはもったいないので、何回かに分けて紹介します。

  飛行機便の関係で私は前日6日から済州島へ行きました。ちょうど済州島の自然農業支部の総会で、私も参加させていただきました。
 自然農業協会済州支部会の会員は45名。会長はハウスで柑橘(清見など)を栽培している呉弘富(オー・ホンブ)さん。今回は自然農業の畜産現場を見るのが主な目的だったので、視察先ではなかったにもかかわらず、私たち一行のために同行して色々と気をつかってくれたり、最後の日は市場見学や観光地の案内までしてくださいました。こんなにしてくださるのは、柑橘交流会を毎年行ってきたせいで、技術的な交流を通して友達付き合い、親戚付き合いのようになっているからです。有難いものです。帰りには奥様手作りのキムチをどっさりいただきました。

資材を大事に保管

 さて、7日のお昼頃済州空港に日本の各地から参加者の方たちが集まりました。私を入れて全部で9名です。西帰浦で遅めの昼食をいただき、最初の見学先である金炳杉(キム・ビョンサン)さんの農場を訪問しました。
 金炳杉さんは今年31歳で、自然農業に取り組んでまだ四年目ですが、非常に熱心に、徹底して実践しています。牛舎に入る前に、まずは自然農業の資材倉庫の見学です。倉庫にびっしりと置かれたカメにまずびっくり。天恵緑汁や漢方栄養剤を仕込んだカメの行列です。一段上には1トンは入ろうかという巨大なかめが置かれていて、魚のアミノ酸が仕込んであるとの事。
金炳杉さんがかぶせてある和紙をはがして「どうぞ匂いを嗅いだり、味を見たりしてください」と言う。皆、人差指をかめに入れて味を見る。倉庫中に甘い発酵臭がたちこめている。さらに卵の殻を玄米酢で溶かした水溶性カルシウムの大きなビン。これはミネラルウォーターを入れるタンクを活用している。奥を見ると黒砂糖の袋が山のように積んである。
昨年国際大会の時に見学に訪れたときは、済州島を襲った100年ぶりといわれる大型台風にやられた後で、屋根を修理中でしたが、それもきれいに補修されていました。床はスノコになっていて、土の良さを保ちつつ空気が下からも通り抜けられるように工夫されていました。自然農業にとって大切な手作り資材の保管に、とても神経を使っているのがわかりました。



 干草の保管ハウスと農業薬水

 次に見させていただいたのは干草を保管している大きなハウスです。干草はかびたり、腐ったりしてはおしまいです。その為まず、ハウスの構造は自然農業式の天窓のあるハウスで、通気性のよいものになっています。天窓から雨が振り込んでも大丈夫なように、天窓のすぐ下に雨どいを取り付けてあり、雨は外へ流されます。ハウスの鉄骨は海からの潮風にも強いものを使い、ビニールも丈夫なものを使用していました。
 次は農業薬水です。地下水は酸素が少ないので、飲み水としてずっと使用するのは良くないそうです。そこで地下水をポンプで一旦汲み上げ、上から落とし、酸素を取り込む仕組みを作ってありました。水が落ちる先には、様々な岩石がざるに入っており、そこに当たることで岩石から天然ミネラルを抽出しているのです。そのハウスの構造も天窓をつけて、その下は雨どいが設置されていました。





 さあ、いよいよ牛舎の見学です。

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