2008年3月19日水曜日

済州島自然農業畜産ツアーに行ってきました(2)


臭いのない牛舎にびっくり!

 金炳杉さんは繁殖牛を現在22頭飼っています。牛舎の前が放牧地で、村の14農家と協同使用しています。一年に1頭5万ウォン(約5,500円)で放牧できるので、助かっているとの事でした。
 牛舎へ行くと、まったく臭いがありません。牛独特のあの臭いさえないのです。床から床土を掴んで鼻に持っていき、嗅いでみてもまったく臭いません。参加者はそれぞれ手に取って確認しました。

 床はホコホコしていてきれいなものです。だからお腹に、いわゆる「ヨロイ」といわれる糞がこびりついてもいません。きれいなお腹です。体もつやがあって健康そのものです。牛がのんびりと過ごしています。

土着微生物のパワーに改めて驚きました。
  金炳杉さんがスコップで床を掘ってみせてくれました。少し掘ると堅い層のようになっている部分があります。発酵層の上に重い牛が乗るので固まって層が出来ているのです。牛舎は隣との仕切りの柵が開くように作られていて、牛舎の棟全体を通して小さなパワーショベルで切り返し作業ができます。牛は豚と違って自分ではあまり掘り返さないので、人間がその分補ってやる必要があります。しかし、その作業も1~2ヶ月に一度ぐらいでいいそうです。

 昨年の国際大会で展示されていた豚を、牛舎の一角でそのまま金さんは飼っていました。済州島の在来種で黒豚です。みかんをあげると喜んで食べていました。以前豚にみかんをやると脂身が黄色くなって販売に困るという話を聞いていたので、大丈夫か聞いてみると、この豚たちは近所の人たちが直に買うので何の問題もないそうです。すでに予約済みだとか。
 豚がいるところもきれいに発酵して床はサラサラです。もちろん、ここの床も掴んで臭いを嗅いでも臭いません。土のような匂いがかすかにするだけです。もちろん豚も皮膚がつやつやして健康そのものです。

 自然農業の牛舎では下をコンクリートにして、土着微生物、オガクズ、土、自然塩で作った床土を30~40センチ積み上げるのが基本ですが、済州島ではオガクズが手に入りにくいので、金さんは土着微生物④番を徹底して床にまくことで牛糞を発酵させています。床は土のままです。
 牛舎を建てるには堆肥舎があることが条件なので、牛舎の横に堆肥舎を作ったそうですが結局必要ありませんでした。そこは現在、土着微生物④番の保管場所になっています。また牛舎の床を取り出しーこれは極上の堆肥ですがーこれをコンベヤーで運んで袋に詰める作業場になっていました。堆肥の中からセミのサナギがいっぱい出てきました。韓国ではこれは漢方薬でもあるそうです。金さんは貴重なタンパク源ということで豚にやっていました。

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