2011年11月16日水曜日

韓国の自然農業を視察 3

自然農業14年 楽園のようなカキ園





 次に訪ねたのは全羅南道潭陽(タミャン)の羅相采(ラ・サンチェ)氏のカキ園です。ここは昨年の果樹・一般作物専門講習会のときにも見学ツアーで訪れた所で、最も印象深かった農場として記憶している所でした。忠清南道の瑞山からはかなり南へ下った所なので、訪ねたときはすでに5時を過ぎて薄暗かったのが残念でした。













 まず、山あいに広々と広がるカキ園に風景に心を奪われてしまいます。カキ園の下は緑の芝生に覆われています。ここへくるといっぺんで心が解放されたような気分になります。見下ろせば、遥か遠くまで町が見渡せます。ここへ来て過ごして、ここのカキを食べて病気が治ったという話にも頷けます。



 
































さっそく収穫されたカキをいただきながら、後継者として一緒に仕事をしている息子さんの説明を聞きました。カキは収穫にはまだ一週間くらい早いそうですが、とてもおいしかったです。





 ラ・サンチェさんは若い頃都会に出て仕事をしましたが、故郷に帰って農業を継ごうと思ったとき、自分の理想郷を目指して有機農業に取り組みました。無農薬栽培は1年目は良い成績でした。二年目もまずます、ところが三年目に入ったときには病虫害にやられて収量は70%減ーつまり3割しかありませんでした。


 そうしていたら趙漢珪先生との出会いがあり、自然農業を始めました。そして14年。「現在は完全な自然農業とは言えないかもしれませんが、ある程度の所まで来ました。農薬は石灰硫黄合剤と殺虫目的で薬草液を散布しています」とのことです。薬草液とはヤマゴボウの根、イチョウの葉、ニンニクを焼酎に漬けて抽出した液です。ヤマゴボウ(韓国名チャリゴン)は以前、FAXネット通信でも紹介したことのある植物農薬です。







  販売先はハンサルリムという消費者意識の高いことで有名な生協です。消費者との交流も行っています。ここへはまるでピクニックにでも来るような感じで遊びに来るそうです。居心地が良くて泊まっていく人もいるとか。










 父親の目指した理想郷をこの息子さんが引き継いで、さらに発展させてほしいと思いました。




 これは韓国の国が認定する親環境農産物の認証農場の看板です。それに自然農業協会の認証もあわせて書かれています。




 趙先生の横で笑っているのは、一緒に同行した韓国の大学生で、現在ニューヨーク大学で勉強中。今回は自然農業をテーマに論文を書くという事で現場の取材を行っていました。 

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