2011年10月4日火曜日

アジア学院へ行ってきました



9月20日、栃木県のアジア学院へ行ってきました。アジア学院はアジア・アフリカの国々の有機農業の農村指導者を養成している学校です。自然農業協会との関係は古く、趙漢珪先生の講演や講習会を何度か行っています。また、自然農業協会の会員の方の中には、アジア学院の研修生の実習や見学の受け入れを行っている方も多いです。写真は本部建物です。


今回の訪問は、アジア学院に自然養豚の豚舎を建てるための打ち合わせが目的でした。3月11日の震災のとき、アジア学院のあたりは震度6強だったそうです。福島県の隣の県ですから、それぐらい大きくても当然だったでしょうが、距離が遠く離れているので、そんなに大きかったとは思いませんでした。しかし、建物にはヒビが入り、豚舎も壊れてしまいました。立て替えるにあたり、以前より自然農業式豚舎に近く形で発酵床で飼育してきたので、今回は正式に自然農業豚舎の設計図に基づいた豚舎を建てようということになったわけです。


自然農業協会では、豚舎や鶏舎など畜舎を建築するには一定の規定があります。まずは、基本講習会を受講していること。この豚舎での飼育法を開発、研究してきた韓国自然農業研究院の趙漢珪先生に技術開発費を支払う事。建築後も技術の研究や会員同士の情報交換に勤めることなどです。


アジア学院に職員の方が以前基本講習を受けましたが、現在その方はいません。しかし、豚舎は壊れ、臨時のハウス豚舎に豚は収容されていますが、至急豚舎の建築をしなければなりません。そのような事情を考慮して、今回はまず、豚舎の建築に取り掛かり、後に基本講習を受けるということになりました。その事を確認するために、通常取り交わされる契約書と別に覚書を取り交わすことになり、その打ち合わせを行うのが目的でした。


当日、山形の志藤正一さんと那須塩原駅で待ち合わせ、アジア学院の荒川さんに迎えに来てもらいました。志藤さんは福島での集会の帰りでしたが、被災地を見て「はるか彼方まで続く瓦礫の山を見て、これがもと農地や住宅地だったと思うと涙が出てきた」と言っていました。テレビで放映されるのは画面に切り取られた部分的なもので、実際ははてしなく広がっているのです。

アジア学院につくと、まずは今回の地震による被害について説明を受けました。建物や中の器物の被害もさることながら、最も大きな被害は放射能汚染です。分布図を見ると、原発のある位置を中心に放射性物質が広がっていますが、必ずしも同心円状にではなく、風向きのせいか、栃木県にも大きく飛散していることが分かります。



アジア学院では各機関の協力を得て、土壌汚染や農産物の汚染状況を小まめに調査しています。また荒川さんをはじめ、職員はクイクセルバッジというレントゲン技師が年間被爆量を計測するために身に着ける測定器をつけています。荒川さんなど農場へ出ている機会が多い職員は室内作業の職員に比べ被爆量が多くなるからです。



この日はちょうど台風が通過する日だったので、ときおり強い雨が降ってくるという状態でしたが、豚舎の建築地も見なければいけないので、農場をまわりました。

2011年9月15日木曜日

樟脳について 続き

樟脳の使用法

 内野樟脳さんでは、出来た樟脳を1袋(50g入り)500円で販売しています。使用するときは、これを少量ずつ分けて、ティッシュペーパーやお茶パックなどに入れて、衣類の防虫に使用します。


 実際に家で試してみましたが、タンスや衣装箱は閉じられるのでしませんが、クローゼットの場合は戸が通気用にすき間があるのでそこから匂いがもれてきて、部屋中に香りがあふれてしまいました。量が多すぎたようです。親指大くらいでしょうか、ほんの少しずつでいいのですね。


樟脳水の活用

 ところで、内野樟脳の藤井さんは、樟脳を製造する過程で出てくる水を農業で活用できないかと思っています。固体を取り出した後の水ですから、まだ強い匂いが残っています。殺虫とまではいかなくとも忌避剤にならないかということなのです。現在、この水は捨てられています。


 樟脳そのものをハウスの中でつるして使用し、効果があったという報告もあるそうです。農薬として使用するには価格が高いかもしれませんが、化学合成されたものではないので安心して使用できます。



 藤井さんは、工場のそばの畑を借りて、大豆や米を栽培していますが、これらにさきほどの樟脳水を原液のまま散布して、実験していました。今のところ、お米に関しては散布していない対照区との大きな差はみられませんでしたが、大豆はこれからどうなるか楽しみです。

2011年9月13日火曜日

内野樟脳さんを訪ねました

伝統技術を守る内野樟脳
先日、みやま市の内野樟脳さんを訪ねました。事務局のある筑後市から車で15分くらいの場所です。私の親戚のおばちゃんの紹介で訪ねることになりました。そのおばちゃんが畑を貸している方が内野樟脳で働いていらっしゃって、自然農業にも関心があるという話から、訪ねることになりました。









 その方は藤井さんと言いますが、話を伺っているうちに、以前私が住んでいた神奈川県藤沢市の食生活研究会が、その内野樟脳で出来た樟脳の販売を大部分受け持っているということが分かり、驚きました。食生活研究会には藤沢市に住んでいたとき浅井まり子さんをはじめお世話になった団体です。そう言えば、樟脳を使いましょうという運動をしていたのを覚えています。しかし場所は鹿児島県ではないかと思っていました。

 樟脳は昔はとても大事な産業の一つだったようです。薩摩藩など、その収入が大きかったそうです。それで原料となる楠(クスノキ)が多く植林されたそうです。それがナフタリン等の合成化学製品にとってかわられて、現在ではほぼなくなってしまいました。九州で2軒、それも明治初期から続けている所は内野樟脳さんだけだそうです。





 工場が近づくにつれ、樟脳独特の香りがしてきました。伝統的な古い建物の前に大きな木が積んであります。





















 内野樟脳さんは現在五代目。左が藤井さんで右が五代目の内野和代さんです。
















 原料のクスノキを大きな金鋸でけずります。 大きめのチップ状にします。




















 それを大きな釜で蒸します。その水蒸気を水で冷やして液に精製します。焼酎のような工程です。


 釜の燃料は、蒸して蒸留したくずを乾燥させたものです。電気やガスは一切使っていないそうです。昔ながらのやり方を守っているのですね。
あがった蒸気がパイプを通って冷却されますが、溜めてあるこの水は井戸水です。 この下にパイプが通っています。















 それをこの大きな樽状の容器に入れて、圧力をかけて、液体と固体に分けます。
































 この白い固体が樟脳です。約6トンの原料木から40~50㎏の樟脳がとれるそうですが、出来上がるまでに約一週間かかるそうです。



大変な作業をして、わずかな量しかとれない樟脳。貴重ですね。

2011年8月30日火曜日

農産物直売所「ぶどう畑」を訪ねました













 8月29日、福岡市南区にある農産物直売所の「ぶどう畑」を訪ねました。お店のある場所に近づくと、「ぶどう畑」の看板とぶどう棚に気づきます。ここは元ぶどう畑だったそうです。













 駐車場は30台も停められるスパースがあり、お店の横には畑とハウスがあります。この畑で出来た野菜もお店で販売しているのです。ほんとうに「直売」ですね。















入り口の横にタマネギが干してありました。農家の庭先のような演出です。








 店の中へ入ると、コンテナに野菜が並べられ、奥には肉や豆腐などの冷蔵ケース、壁際はソースなどの調味料が並んでいます。右手奥では、店長みずからが仕込んだ梅酒がおしゃれなビンに入れられて販売されています。










 ここは、農家の女性6人(現在は4人)が集まって、都市の中の農場をまもろうということで作られた農産物の直売所です。基本的には農家からの委託販売ですが、一部仕入れているものもあります。ここでは惣菜コーナーも人気で、野菜の煮物や和え物が売られていますが、一番人気はかしわ飯だそうです。野菜の売れ残りを出さないようにする工夫でもあるんですね。



































 今回は、ここに「いきいき五島」というグループで野菜を収めている五島の木場義博さんの案内で訪問しました。説明をしてくださったマネージャーの江頭さんが五島に親戚の方がいて、そのご縁だそうです。江頭さんの説明によると、ここには従業員が29名! 惣菜作り、販売担当はパートタイマーで、社員は5名、農場担当が2名。年間売り上げは約3億だとか。


写真は、左から店長の新開玉子さん、木場義博さん、マネージャーの江頭さんです。


 どうして「ぶどう畑」は繁盛しているんでしょうか? お客さんが又来たくなるようなお店作りに力を注いでいます。商品のポップもステキです。直売所に求める鮮度も感じられます。元気な店長さんがその象徴かもしれません。二階のスペースで料理教室を開いたり、畑では農業塾を開き、年間を通して農作業が学べるようになっていたり、活発な活動が行われているのもその一つでしょう。ここでは農産物を販売するだけでなく、「食」と「農」を通して都市と農業の交流をはかっているのです。

2011年8月28日日曜日

無農薬のライ麦の種



 ライ麦の種が必要な方はお分けします。金沢の能崎幸房さんが昨年植えたライ麦を、今年収穫して天日干しした種です。


 自然農業では、土作りにはライ麦が一番良いとされています。しかし一般的に市販されているライ麦の種は殺菌剤でコーティングされています。そこでなんとか自家製の種を採取できないものかと思っていたのですが、今回能崎さんのご協力で少量ですが出来ました。




「まだ本格的に育種して、採取したものではないので発芽率がどれくらいか分かりません」とのことです。研究中ということでご了承ください。能崎さんが昨年植えたのはタキイのライ太郎という種です。男分けできるのは全部で30㎏です。必要な方は事務局にお申し込みください。


ライ麦の種 1kg 800円 送料 実費


 尚、事務局では今後もライ麦の種の自家採取をしてくださる方を募集します。ご協力いただける方はご連絡ください。

山形のだだちゃ豆







山形のだだちゃ豆です。鶴岡市の志藤正一さんが送ってくださいました。



袋は庄内協同ファームのロゴマークが入っていてかわいい!





枝から取ってあるので、塩でもんで洗ってゆでるだけで簡単です。300g入りです。





だだちゃ豆は独特の香りと甘みがあって、とってもおいしいです!










志藤さんによると、昨年の猛暑の影響で、種の質があまり良くなく、さらに今年の天候の影響もあって収量が少なかったそうです。貴重なだだちゃ豆をありがとうございました。

2011年7月3日日曜日

五島市で自然農業のセミナーを開きました

 6月28日~30日、長崎県五島市で自然農業のセミナーを開催しました。主催は、新規就農者のグループとサツマイモの生産グループである「元気野菜つくり振興会」などの共催です。









 五島市福江には第2回基本講習会参加の木場義博さんがいて、18年近く自然農業を地道に実践してこられていますが、最近、新規就農をめざす人たちが五島にUターン、Iターンしてきて、さらに農業などを通して村興しをしようという「五島列島ファンクラブ」が出来るなど活発な動きがあり、そんな中で自然農業への関心が高まり、セミナー開催となり、姫野が講師として訪問しました。











 28日は交流と五島の現状を把握する日でした。宿泊は「五島列島ファンクラブ」の濱口孝さんご夫婦が運営する宿泊所で、廃校になった小学校を改築した所です。翌朝目覚めると、目の前は海で、静かな湾が広がっていました。後ろは小高い山です。五島が海と山の自然に恵まれていることを実感しました。すぐ浮かんだのは、ここはエサの宝庫だということです。自然農業の養豚や養鶏が実践されれば、すばらしいのにと思いました。

















 29日は町の中心にある、「ごと」というサツマイモの生産センターです。冷凍したかんころもち(五島固有のお菓子。サツマイモを蒸して干し、もち米や砂糖を入れてなまこもち状にしたもの)などを売る販売所もあります。講演会はその2階で行われました。30人弱の参加でした。午前中約1時間半、自然農業の話をし、パワーポイントでスライド上映、質疑応答などを行いました。



 午後からは、倉庫の前で自家製資材のつくり方実習です。土着微生物は、木場さんが事前に山に仕掛けたもの、黒砂糖に漬けた2番など準備していただき、たらいの中で3番の仕込みを行いました。







 




天恵緑汁はヨモギと杉の実で行いました。






漢方栄養剤は、当帰、甘草、桂皮、ニンニク、ショウガの5種類を黒砂糖に漬けました。発酵期間が必要なので、この日は焼酎は入れませんでした。


 卵の殻を炒って、水溶性カルシウム作りも行いました。最初入れ物が小さかったので、玄米酢を注ぐと、反応が激しくてふきこぼれてしまいました。入れ物の大きさも大事です。










 水溶性リン酸カルシウムは、フィッシュカルシウムを玄米酢に入れて仕込みました。お米のとぎ汁を4~5日前にとっておいてもらい、この日10倍の牛乳に注ぎました。



すべての実習を3時半ころ終え、質疑応答を行って終わりました。


  30日は、畑回りを皆で行いました。最初に見学したのは「元気野菜つくり振興会」の代表でもある浜崎さんのサツマイモ畑です。7反あまりもある広い畑を一人で植え付けたと聞き、感心しました。数年前に農業を始めたそうですが、農作業をとても楽しく行っているようです。サツマイモは安納いもという品種え焼き意も用です。






















 また別のサツマイモの畑を見学しました。こちらは4反くらいの畑ですが、周囲を1.5mくらいの幅で大豆がぐるっと植えられていました。地形の関係で周囲の出来が悪くなってきたので、土壌改良を目的に植えているそうです。耕運機と管理機で畝立てをし、中耕で土寄せと除草を兼ねる。



 焼きいも用サツマイモは㎏200円とわりと単価がいいので、最近取り組む人が増えているそうです。















 来年は、福岡の焼酎会社と契約して、紫芋の甘酒やかんころで仕込んだ焼酎などの原料を生産する計画があるそうです。


 自然農業に深い関心を寄せていただいたようで、これからさらに、講習会、基本講習会、韓国ツアーなどを計画したいと思っています。楽しみですね。