2010年12月12日日曜日

韓国自然農業農場見学 4

 谷城郡農業技術センターを中心に普及


 昨年、一昨年と訪れた慶尚北道固城郡の郡をあげての自然農業の取り組みについては、何度も紹介したが、その固城郡に刺激を受けて、郡をあげて取り組んでいるのが全羅南道谷城郡です。谷城郡は人口が3万4千で、耕地面積が5300ヘクタールあります。

 今回も最後に訪ねましたが、何といっても農業技術センターが熱心に取り組んでいるのが印象的です。







 農業技術センターの中に自然農業式ハウスが何棟か設置してあります。ここで、自然農業の各種資材作りの実習が行われ、出来上がった天恵緑汁や漢方栄養剤などの保管管理も行っています。










 郡には環境農業課という部署があり、そこの自然農業室のチーム長であるチョウ・ギョンフンさんが説明してくれました。


 写真の手に持っているのは、水溶性リン酸カルシウムの原料の豚の骨です。これを焼いて炭のように黒くなったものをを玄米酢につけます。





 谷城郡で取り組んでいる自然農業は、2009年には稲作23ha(30農家)、畜産(牛4頭、母豚10頭、鶏1,500羽)、果樹1ha(リンゴ)、野菜(メロン0.4ha、サンチュ0.4ha)でしたが、2010年には稲作67ha(30農家)、果樹(リンゴ1ha、ブドウ1ha、梅1ha)、野菜(メロン1ha、ニラ0.4ha、イチゴ0.4ha、唐辛子2,200株)、複合畜産(牛、豚、鶏、サンチュ)とさらに取り組みが増えています。





 多くの農家が自然農業に取り組む場合、天恵緑汁なども何10トンも入るような大きなタンクで仕込みがちだが、ここでは、20ℓのカメにそれぞれ仕込んでいる。発酵にとってカメが一番いいからだ。ハウスの中は作った人の名前が書かれたカメがずらーっと並んでいます。







 このハウスはもと、水耕栽培のハウスだったそうで、床下に養液の大きなタンクがあります。そこには自然農業では大切な海水が4トン余り、保管されていました。また、苗を置く台にカメを並べていましたが、土と離さないのが原則という事で、その台に土が敷かれ、その上にカメが載せられていました。




保管は保冷庫で行われていました。温度は10~12度に設定されています。


 現在当帰が何㍑、桂皮が何㍑、天恵緑汁が何㍑と、すべて記録されており、ここから農家が必要な量だけ受け取って帰ります。








 土着微生物の培養も常に行っています。ここには見学者も多いので、土着微生物2番、3番、展示してあるのです。

 農家は3番をもらって帰り、自宅で土を混ぜて発酵させ4番を作り、使用します。

0 件のコメント: