2008年12月11日木曜日

鹿児島県交流会がありました

  12月2日、市比野温泉薩摩の里において、鹿児島県交流会が開かれました。会員7名、非会員6名で13名の参加でした。 鹿児島での勉強会は久しぶりでした。
 自己紹介、自然農業の紹介、実践報告などを行いました。韓国固城郡の稲作と自然農業一般作物を紹介するパワーポイントをノートパソコン上でしたが上映しました。 たくさん付いたブロッコリーや巨大なキャベツやカリフラワーの写真を初めて見て「これなら儲かる!」と驚きの声があがりました。

 懇親会の最後には、熊本で有機農産物の流通の仕事をしている天波さんによるギターの演奏が行われました。農業や百姓を応援する自作の歌も歌ってくれ、大いに盛り上がりました。
 色々な方たちとの交流が出来た勉強会でした。



 翌日、せっかく鹿児島まで来たので東谷さんと長崎さんのお宅を訪ねました。



 まず伺ったのは金峰町の東谷さんのお宅です。東谷さんはお米を中心に、鶏、野菜などを栽培しています。 ご主人は消防署に勤めていたので、農業は今まで奥さんが中心になって担ってきました。最近ご主人が退職され、一緒に農業をやるようになりました。ご夫婦とも基本講習会に参加されました。


鶏はプリマスロックです。肉もおいしい品種だそうです。今は羽数を減らして自家用です。
えさも自家製です。











 


  数年前から金峰町では全国の修学旅行生の受け入れを行っています。 一軒で3、4人受け入れ、農業体験をして泊まっていきます。金峰町には浜辺もあるので、海遊びも出来ます。自然に触れ、農業体験をし、他人の家で友達とご飯を食べて一泊する。観光地を巡るだけの修学旅行よりもはるかに子ども達にとっては思い出に残る旅になることでしょう。
東谷さん夫婦は「受け入れは大変だけど楽しい」と言います。中には別れるとき泣く子もいるそうです。















 この畑はカボチャの畑です。 南向きの広い畑です。防風のために雑穀を植えています。
ポツポツと草の中に見えているのが新聞にくるまれたカボチャです。今日これから子ども達に収穫してもらうのを待っています。
 残念ながら時間の関係で子ども達に会うことはできませんでした。









 次に伺ったのは笠沙町の長崎大海さんのお宅です。
長崎さんは東京で仕事をしていましたが、帰農して柑橘を栽培しています。画家で自宅には広いアトリエがあり、長崎さんが描いた作品がたくさん飾ってありました。目が印象的で力強い線の、ルオーのような絵でした。
 数年前に水俣の新田九州男さんに出会ったのをきっかけに自然農業に取り組み始めました。昨年基本講習会も受講しました。

 これはタンカンの木です。今年は豊作だそうです。「自然農業に取り組んで味が良くなったのがうれしい」と長崎さんは言います。 また「僕の取り組みを理解してくれる人も増え、お陰で販売先も増えました。」と言います。

 消費者の動向を睨んで、品種の選択も重要です。長崎さんは畑も広げ、レモンやグレープフルーツも植えました。

 もっと鹿児島に仲間を増やしたいと語りました。

長崎さんのタンカンについては、今年の2月20日にも載せましたので参考にしてください。















2008年11月26日水曜日

固城郡の自然農業パプリカ栽培

 韓国の慶尚南道固城郡の稲作については前回報告しましたが、自然農業への取り組みは稲作だけではなく、果樹や野菜も取り組まれています。さらに自然養鶏も始まる予定だそうです。

今回はハウスでパプリカを栽培している姜俊淳(カン・ジュンスン)さんを紹介します。

彼はもともと会社務めをしていたそうですが、3年前に就農しました。

このハウスはガラス製で広さは3,000坪あります。知り合いがやめたのをそのまま引き受けたそうです。 ここにパプリカを35,000株植えています。









 最初は慣行農法で取り組みましたが、今年7月に自然農業の基本講習会を受講、続いて専門講習会も受講し、現在では無農薬でパプリカを栽培しています。

 ご覧下さい! この見事なパプリカ!

このパプリカは95%日本に輸出だそうです。ただ、現在は特に自然農業による栽培だからということで特別に出荷しているわけではないそうです。

最初趙漢珪先生が見に来たときは草丈が7メートルもあったそうです。でも収量はそれ程でもなかった。





それが自然農業に取り組み、指導通りに実践したところ、葉が厚くなって健康になりました。栄養週期に沿って液肥を施したら、無効分けつがなくなって、収量が増えました。 予想では30%は増えるだろうとの事です。
これから赤くなって行きます。別のハウスでは黄色いタイプも栽培しています。

アブラムシにはせっけん水で対処しているそうです。

潅水チューブを通して土着微生物の液肥や天恵緑汁、玄米酢など各種資材をやり、さらに必要に応じて葉面散布も行っています。











この日はKBSテレビの取材もあり、趙先生が現場で指導しているところが撮影されました。











自然農業全国大会で実践農家を見学しました(2)

 次に見学したのは八代市千丁町の園田崇博氏の農場です。
最初はキュウリのハウスです。苗を植えたばかりでした。ここは以前田んぼだったところで、最初始めた頃は肥料のやり方など管理に苦労したそうです。











次に見学したのはジャガイモの畑です。趙先生が葉の繁り具合を見て「これはチッ素が多すぎじゃないか」と言いました。自然農業の基本を忘れないようにとアドバイスしました。














 次に見学したのは松橋町の作本弘美氏の農場です。
土着微生物のボカシ専用の倉庫を見せてもらいました。作本さんはボカシを大量に作って、仲間の農家にも配っているのです。










材料は食品残滓をうまく活用しています。
これはくず大豆です。
また、納豆屋さんから出荷できない納豆ももらってきています。ボカシに納豆菌を繁殖させるためです。










作本さんはこのボカシを使って、レンコンを始めアスパラガスや白菜など様々な野菜を作っています。ボカシで味が良くなったと喜んでいました。





2008年11月21日金曜日

自然農業全国大会で実践農家を見学しました(1)


 最初に訪問したのは不知火町の澤村輝彦氏の農場です。





澤村さんは仲間の農家と肥後あゆみの会という組織を作り、共同出荷するなど活動を行っています。








    まず土着微生物の元種やボカシを製造する倉庫の見学です。土着微生物の培養は床をコンクリートではなく土の上で行うことが原則です。大量に製造するには機械を使用するので、どうしてもコンクリートにしがちですが、嫌気性発酵に向かいやすく均等に発酵できない点が問題です。そこで澤村さんは倉庫を作るときに、培養する場所はコンクリートを使用せず、土のままにしました。













   天恵緑汁、漢方栄養剤などを製造するのはこの大きなカメです。澤村さんはトマトの栽培中、ほぼ3,4日に一度玄米酢とともに散布するそうです。














 トマトのハウスは苗を植えたばかりでした。














 自然農業では苗は穴を掘って深く植えるのではなく、ベッドに乗せるだけです。この方が根が健康に育つのです。







第14回自然農業全国大会及び総会が開催されました


 去る10月29日30日、熊本県青年会館において第13回自然農業全国大会及び総会が開かれました。
 まず、泉精一会長の挨拶がありました。「今、食べ物に関しては大変な時代になりました。消費者は切実に安全な食を求めています。自然農業はすばらしい農業です。趙漢珪先生の活動で自然農業は今や世界に広がっています。新しい情報もあるようです。一緒に勉強して行きましょう!」という元気なアピールでした。
 その後、事務局姫野より2007年度の活動報告及び会計報告がなされ、拍手を持って承認されました。
 
 その後は趙漢珪先生の講演です。最近の世界的な指導活動の報告は目を瞠るようです。特に韓国の固城郡の成果はすばらしいものがあります。講演の後にパワーポイントで写真を写しながら報告がありました。
                               
会場には会員の方たちから送られた果物やお米、野菜、ジュースなどが展示されました。休憩時間には試食し、改めて自然農業による農産物の味の良いさを確認しました。会場に持ち込んで参加され方には説明を含めて今年の成果を報告していただきました。
   中でも鹿児島の高原さんの報告には驚きました。プリの趙先生の記事を読んで、豚の飼料に「土飼料」(土着微生物④番)を30%混ぜてあげたそうです。すると生長に支障がないばかりでなく、豚が病気もなく非常に健康で良かったと言うのです。エサに30%も混ぜるというのは相当勇気がいったと思います。それにしても土着微生物のパワーのすごさには驚きです。

2008年11月11日火曜日

固城郡の収穫祭に参加してきました


郡をあげて自然農業に取り組む固城郡



 去る10月韓国慶尚南道固城郡の「生命環境農業稲作初収穫祭」に参加しました。固城郡は郡守の李鶴烈氏が自然農業の導入に熱心で、郡をあげて取り組んでいるという話は聞いていました。しかし実際に現地に行ってみてその取り組みの徹底ぶりに驚きました。 左の写真は農業技術センターの正面玄関ですが、左の横断幕には「生命環境農業は大韓民国の農業革命であり、希望です」と書いてあります。


 次の写真は農業技術センターの「生命環境農業技術研究所」の建物です。別に部署を設け、研究所を作ったのです。生命環境農業というのが自然農業のことです。









   よく見るとあちこちに「2008年は生命環境農業の基盤造成の年」と掛かれたポスターが貼ってあり、センターの車にも、さらに職員の制服の胸ポケットにも同じキャッチフレーズが書いてあるのです。






























これは生命環境農業研究所の中の展示ハウスです。天窓のある自然農業式のハウスの中に資材やパネルがずらりと展示してあります。





 研究所で自然農業資材を共同作業で製造し、保管します。各家庭でも天恵緑汁などは製造されています。






 左の写真は魚のアミノ酸です。天恵緑汁でも漢方栄養剤でも、このようにふたの和紙の上にわらを丸めて置いておくと発酵が非常に良いそうです。











 これは米ヌカの袋の山です。土着微生物を培養するために集めたものです。来年の基盤造成に使用される予定です。











生産費は60%削減、収量は6%増収、価格は約2倍!
  会場に行く前に趙先生が田んぼへ案内してくださいました。取り組んだ田んぼは郡内16ヶ所で、全部で163ヘクタールですが、その中の一つです。趙先生が自ら田んぼへ降りて、イネをさわりながら「見て御覧なさい、すごいでしょ!」とやや興奮ぎみです。見るとイネは分げつも20~23本あり、粒数も多いのです。






 道ひとつ隔てた隣の慣行栽培の田を見ると、その差は歴然としています。除草はタニシとドジョウの投入で行われました。見渡してもヒエ一本生えていません。きれいなものです。
農業技術センターの報告書によると、収量はこの地域の平均的な収量が反当427㎏なのに対し、自然農業のイネは平均506kg.でした。約6%の増収です。農薬や化学肥料は使用せず、自然農業の資材(土着微生物、天恵緑汁、水溶性カルシウム、漢方栄養剤など)だけで栽培していますので生産費が60%削減され、反当54,445ウォン(約4,080円)しか掛からなかった。
 この自然農業で栽培された米は、固城郡の農協を通して慣行農法の米の2倍近い価格で販売されます。この行事の日にホームページも立ち上げられネット販売が始まりました。

 行事には地域の方だけでなく周辺からも参加があり、1000名近く集まりました。KBS,MBCなどテレビ局や新聞社の取材陣も来ていました。
 舞台で演じられる伝統舞踊では歌詞に「生命環境農業のイネを植えましょう」などと替え歌になって演じられました。






この地域への貢献を讃えて、趙漢珪先生は固城郡の名誉郡民証がこの日授与されました。

2008年9月26日金曜日

密陽市甘カキ研究会が来日しました

密陽市甘カキ研究会が来日しました

 去る9月1日~4日、韓国慶尚北道密陽市甘カキ研究会のメンバー18名が九州へ視察に来ました。甘カキ研究会は会長が李世榮さんという韓国の自然農業協会の有力メンバーで、以前より様々な交流を行ってきた方です。
 今回の来日に先立ち、昨年12月福岡の小ノ上喜三氏、池尻和守氏を講師に招請し、密陽市で講演会が開かれました。小ノ上氏は多収穫を目指す剪定法について実際に畑で柿の木を剪定しながら講義されました。池尻氏は栄養週期理論に基づく肥培管理について講義されました。この時の通訳も姫野が行いました。お二人は自然農業協会とは直接関係ありませんが、より良い作物を生産するために研究、実践されており、様々な点で学ばさせていただいてます。また、一昨年も韓国からの見学を受け入れていただいた経緯があります。

果樹研究センターで太秋について学ぶ

 さて、今回はまず、福岡空港から熊本へ向かい、松橋町にある熊本県農業試験所果樹研究センターを訪ねました。当初は筑紫野市の福岡県農業試験所を訪ねる予定だったのですが、外国人の視察は受け入れないと断られ、急遽熊本県の試験所を訪ねる事にしたのです。一昨年は韓国からの視察団を受け入れてもらったのですが、方針が変わったようで残念です。
 果樹研究センターへ着くと雨がザーッと降ってきました。担当の方がカキ園へ案内してくださいましたが、傘をさしての見学です。熊本県では新しい品種の開発として「太秋」「早秋」を導入しましたが、「早秋」は、糖度は高いが炭そ病に弱いという事で、主に「太秋」の研究を行っていました。「太秋」は韓国にも最近導入されていて、関心も非常に高いものでした。わたしも「太秋」は昨年初めて食べましたが、甘いし、噛んだ食感が独特でとてもおいしかったです。目をつぶって食べたら柿とは思わないかもしれません。それぐらい新鮮な驚きがありました。
 太秋は雄花や両方の性質を持った花がつくので、摘蕾、摘花をしっかりすること。枝の先の方、先の方へと花が着いていくので、木の中心部分が空きがちになる。中心部分の枝を予備枝として準備していく事が大事。などの特徴が話されました。雨よけハウスの中でも「太秋」が栽培されていました。こちらも棚栽培です。他の場所も富有に高接ぎして「太秋」が作られていました。二本仕立てや四本仕立てなど、剪定整枝の研究がそれぞれされていました。

 翌日はまず福岡県広川町の農機械メーカー「オーレック」を訪ねました。ここは主に乗用草刈り機を製造販売していて、開発にあたり小ノ上さんが関わったそうで、工場を見学することができました。
 工場を見学して驚いたのは、要所要所の作業場でロボットが導入されている事です。人間は材料を準備したり、機械に入力したり、出来上がったものを整理する程度で、後は全部ロボットが作業します。省力化でもあるし、安全でもあります。機械は韓国にも輸出されているそうです。
皆さん機械には関心があるようで、工場の見学も熱心でしたが、草刈り機の試乗も楽しそうにしていました。小ノ上さんは園を整地して機械が走れるようにし、草刈りも農薬散布も収穫も機械で作業した方がいいと言います。道路工事は自分でいつもやるそうです。

栄養週期栽培の池尻農園

 最初のほ場見学は田主丸町の池尻和守氏の農園です。場所は田主丸町の南、耳納山の麓にあります。カキの栽培面積は1町4反ですが、他に巨峰ブドウを1町6反栽培しています。田主丸はカキよりも巨峰で有名な場所です。故大井上康先生の指導のもと、日本で産地としては初めて巨峰が栽培された所で、昨年は巨峰開植五十周年記念事業が行われました。

池尻さんはこの1町4反のカキ園に肥料はアミノ酸肥料を20kg/10aしかやっていません。4月にマグネシウムを60㎏/10a、9月に消石灰を20kg/10a、あとは交代期処理として6月にリン酸とカリウムを、8月にリン酸を施肥しています。肥料代は一般の約5分の1ぐらいですみます。
 しかし、実の成りは立派です。昨年より小ノ上さんとの交流から剪定法を変え、昨年までは反当1.5トンだったのが今年は、反当2トンは充分あるだろうとの事です。味や品質が良いので有名デパートにも出荷しています。
その後、近くの公民館へ移動し、お話をゆっくり伺いました。公民館にはちょうど収穫真っ盛りの巨峰がお皿に盛られ、試食できるように準備されていました。皆栄養週期栽培の巨峰に舌鼓を打ちながらいただきました。









樹齢百年の柿の木

 
午後は小ノ上さんのカキ園を見学した後、杷木の木原巧さんのカキ園に行きました。ここ杷木の志波という所は初めて富有柿が導入された地域で、木原さんのカキ園には樹齢百年の柿の木がありました。韓国の方たちも百年の木は初めて見たという事で感動していました。その横には樹齢五十年の木が並んでいます。見かけは変わりません。
 木原さんに両方の木の違いについて尋ねてみると、百年の木の方がカキの味が良いそうです。年を重ねるにつれ味が良くなるなんて、すばらしい事ですね。そんな人生を歩めたらいいですね。柿の木から学ぶ事は多いです。


徹底した管理で大規模経営―小ノ上農園

 最後は小ノ上さんの自宅へ伺い、周辺の農園を見学しました。小ノ上さんの持論でもある「早期摘蕾、早期摘果が最重要」を証明してみせるように、摘蕾作業が遅かった園の実の成り具合などを見ながら説明してくださいました。柿の木の根元を見ると、竹の木の輪がはめてあります。これは苗木のときからはめて置くそうで、除草機の刃が木の幹を傷つけないように保護しているのです。
枝を高く仕立てて行くのも、高所作業者がある事を前提にしています。小ノ上さんの農園では高所作業者が9台あるそうです。
そして、剪定や摘蕾、摘果作業を従業員の人たちが誰でもできるように公式化しています。徒長枝の活かし方をマスターすれば、誰でも反当2~3トンは採れると言います。
夜は近くの原鶴温泉で食事の後、部屋で懇親会を開きました。お互いに細かい質疑応答をして深い交流が出来ました。