2011年7月3日日曜日

五島市で自然農業のセミナーを開きました

 6月28日~30日、長崎県五島市で自然農業のセミナーを開催しました。主催は、新規就農者のグループとサツマイモの生産グループである「元気野菜つくり振興会」などの共催です。









 五島市福江には第2回基本講習会参加の木場義博さんがいて、18年近く自然農業を地道に実践してこられていますが、最近、新規就農をめざす人たちが五島にUターン、Iターンしてきて、さらに農業などを通して村興しをしようという「五島列島ファンクラブ」が出来るなど活発な動きがあり、そんな中で自然農業への関心が高まり、セミナー開催となり、姫野が講師として訪問しました。











 28日は交流と五島の現状を把握する日でした。宿泊は「五島列島ファンクラブ」の濱口孝さんご夫婦が運営する宿泊所で、廃校になった小学校を改築した所です。翌朝目覚めると、目の前は海で、静かな湾が広がっていました。後ろは小高い山です。五島が海と山の自然に恵まれていることを実感しました。すぐ浮かんだのは、ここはエサの宝庫だということです。自然農業の養豚や養鶏が実践されれば、すばらしいのにと思いました。

















 29日は町の中心にある、「ごと」というサツマイモの生産センターです。冷凍したかんころもち(五島固有のお菓子。サツマイモを蒸して干し、もち米や砂糖を入れてなまこもち状にしたもの)などを売る販売所もあります。講演会はその2階で行われました。30人弱の参加でした。午前中約1時間半、自然農業の話をし、パワーポイントでスライド上映、質疑応答などを行いました。



 午後からは、倉庫の前で自家製資材のつくり方実習です。土着微生物は、木場さんが事前に山に仕掛けたもの、黒砂糖に漬けた2番など準備していただき、たらいの中で3番の仕込みを行いました。







 




天恵緑汁はヨモギと杉の実で行いました。






漢方栄養剤は、当帰、甘草、桂皮、ニンニク、ショウガの5種類を黒砂糖に漬けました。発酵期間が必要なので、この日は焼酎は入れませんでした。


 卵の殻を炒って、水溶性カルシウム作りも行いました。最初入れ物が小さかったので、玄米酢を注ぐと、反応が激しくてふきこぼれてしまいました。入れ物の大きさも大事です。










 水溶性リン酸カルシウムは、フィッシュカルシウムを玄米酢に入れて仕込みました。お米のとぎ汁を4~5日前にとっておいてもらい、この日10倍の牛乳に注ぎました。



すべての実習を3時半ころ終え、質疑応答を行って終わりました。


  30日は、畑回りを皆で行いました。最初に見学したのは「元気野菜つくり振興会」の代表でもある浜崎さんのサツマイモ畑です。7反あまりもある広い畑を一人で植え付けたと聞き、感心しました。数年前に農業を始めたそうですが、農作業をとても楽しく行っているようです。サツマイモは安納いもという品種え焼き意も用です。






















 また別のサツマイモの畑を見学しました。こちらは4反くらいの畑ですが、周囲を1.5mくらいの幅で大豆がぐるっと植えられていました。地形の関係で周囲の出来が悪くなってきたので、土壌改良を目的に植えているそうです。耕運機と管理機で畝立てをし、中耕で土寄せと除草を兼ねる。



 焼きいも用サツマイモは㎏200円とわりと単価がいいので、最近取り組む人が増えているそうです。















 来年は、福岡の焼酎会社と契約して、紫芋の甘酒やかんころで仕込んだ焼酎などの原料を生産する計画があるそうです。


 自然農業に深い関心を寄せていただいたようで、これからさらに、講習会、基本講習会、韓国ツアーなどを計画したいと思っています。楽しみですね。