2008年5月19日月曜日

西原村で勉強会がありました

  去る4月27日1時から、熊本県阿蘇郡西原村で勉強会がありました。場所は西原村自然農業研究会の会長米口孝さんのお宅と公民館でした。集まったのは地元の方10名です。講師として水俣から新田九州男さんがいらっしゃいました。















 まずは米口さんのお宅の倉庫で天恵緑汁作りの実習です。朝、米口さんが採取してきたヨモギを黒砂糖と混ぜてかめに仕込みました。ヨモギが大きかったので包丁で切って漬け込みました。







   次は白い菌の固まり(通称ハンペン)による土着微生物の元種つくりの実習です。水をいれたバケツに天恵緑汁などを入れて、ハンペンをほぐします。米ヌカと混ぜて水分調整します。
 次は、ボカシ肥料の仕込みの実習です。以前作ったボカシを元種として炭の粉や油粕など材料を混合していきます。米口さんは油粕にもこだわっていて、非遺伝子組み換え菜種油の会社から買っています。
 実習に後は近くの公民館で新田さんによる自然農業の考え方や肥料のやり方などの講義がありました。4時までの予定でしたが、熱心な質疑応答もあり5時過ぎまでありました。

2008年5月9日金曜日

単行本の写真撮影を行いましたー土屋喜信さん宅編

  新しい自然農業の単行本の製作の為、写真撮影を行いました。4月23日は千葉県横芝光町の土屋喜信さんのお宅で天恵緑汁の仕込みや土着微生物の採取、培養の撮影を行いました。

 横芝駅で創森社の相場さんとカメラマンの三宅さんと合流し、土屋さんのお宅へ伺いました。銚子の宮崎憲治さんも今日は手伝いに来てくださいました。
 まずはヨモギの天恵緑汁の仕込みです。早朝、土屋さんがすでにたくさんのヨモギを採取してきていました。秤で計ったら約7kg.あります。少し長いヨモギは包丁で刻んで漬け込みます。大きなプラスチックのたらい(種籾の塩水選用)で黒砂糖3.5kg.と混ぜ込みます。それをカメに詰め込んで落し蓋をして重しを載せました。
 1週間前に仕込んでおいたヨモギの天恵緑汁を出来上がった天恵緑汁と仮定して、ざるにあげ、液をとるところも撮影しました。

 撮影の段取りは相場さんがカメラマンの三宅さんに指示します。三宅さんは脚立に上がって上から撮影したり、反射板で光を調節したりして、次々にシャッターを押して行きます。これ、という一枚のために何度も角度を変えたり、カメラの調節を加減したりして写します。さすがプロです。横で私もデジカメで写しました。

 午後からは土着微生物の元種つくりの撮影です。4~5日前に竹林の腐葉土の中にいけておいたスギのお弁当箱で採取した土着微生物①番を黒砂糖でまぶしてカメに漬け込みました。











この土着微生物②番と米ヌカと混ぜて水分調整して山を作りました。同時に腐葉土の中にある白い菌の固まりー通称ハンペンと呼んでいるものーを利用して培養する方法も撮影しました。


                                                                    同じくすでに4~5日前に仕込んであったこの土着微生物③番と赤土、畑の土を混ぜて水分調整して山を作りました。これが土着微生物④番です。

 













 次はイチゴのハウスで天恵緑汁散布の様子を撮影しました。土屋さんのイチゴの畑にはところどころニンニクが植えられています。病気予防のコンパニオンプランツだそうです。小さな虫をくっ付けて取る黄色い紙もぶら下げてあります。無農薬で栽培するイチゴはほとんど消費者が摘み取るイチゴ狩りで売れてしまうそうです。
 
  人参の畑でも天恵緑汁散布の撮影を行いました。2月の山形で開催された基本講習会への差し入れでいただいた巨大人参は、土屋さんが作って送ってくれたものでした。大きくなり過ぎるので、種を蒔く時1穴に2粒蒔くそうです。甘くておいしい人参です。大部分は房総食料センターを通して生協に売られていますが、中には個人のお客さんもいるそうです。ガンを患われて人参ジュースを飲むために注文してくるそうです。もう3年のおつき合いだとか。自然農業の農産物は生命力があるのですね!

 撮影は薄暗くなっても続けられ、漢方栄養剤、乳酸菌、水溶性カルシウムなどを行いました。皆様お疲れ様でした。きっといい本になると思います。

昨年、韓国自然農業生活学校を李明博大統領が訪ねました

「ニュース23」の韓国大統領と市民の対話に私たちが参加する事を韓国の趙漢珪先生に話しましたら、昨年8月に自然農業生活学校を訪ねて一泊して行かれたとの事です。写真はその時のものです。

 昨年8月李明博大統領が槐山の自然農業生活学校を訪ねてきました。(当時はまだ大統領に就任していませんでした)生活学校には自然農業の会員農家が集まり、大統領と親しく交流しました。







 大統領は韓国農業の未来についてお話しました。また、趙漢珪先生による自然農業の講義にも熱心に耳を傾けられました。



 食事も参加者と共に生活学校の食堂で共にされました。


韓国農業の回復と発展に期待するという言葉を残していかれました。

「ニュース23」で韓国大統領に会いました



  去る4月21日、TBS系列テレビ「ニュース23」の特別プログラム「李明博韓国大統領があなたと対話」という番組に参加しました。テレビ局から参加の誘いが来たときに、韓国大統領と話が出来る機会はめったにないし、また発言の仕方で何か自然農業の宣伝にならないかと思って引き受けました。自然農業協会からは群馬の湯浅直樹さん、山形の小関恭弘さん、新潟の宮尾浩史さん、事務局の姫野祐子が参加しました。
参加したのは関東中心ですが全国から集まった、韓国に関心のある人達102人です。年齢層や性別、職業などが多様になるよう選ばれています。私たちがもらった名札には名前の下に「農業」と書いてありました。

  番組自体は1時間半ですが、大統領との対話の時間は正味1時間。しかもテレビ局側で番組の流れとして「大統領の人柄について」や「南北問題」などテーマが決められています。さらに京都の大学からは筑紫キャスターと大学生が参加していて、そちらからも質問がされます。番組スタッフによると質問できるのは10人くらいとの事。これでは大統領と対話などとても難しいなと説明を聞いてすぐ思いました。
  さらに、通訳の声を聞く機械装置の関係で、質問は日本語でお願いしますとの事。私だけでなく、韓流ブームで韓国ファンになった女性たちや、旅館で韓国人旅行客を受け入れている人達など多くの人達が、この日の為に質問を韓国語でしようと準備してきていました。会場に流されていた、過去に放送されたクリントン大統領と市民対話のビデオでは、英語で質問している人もいたのに。会場からがっかりした参加者の声があがりました。

  外国の現役大統領という事でテレビ局は警備に相当気を使っていました。スタジオに入る前の金属探知機は胸にさした名札の安全ピンやボールペンにも反応してしまう高感度のものでした。テレビ局の外は大統領滞在中、通行止めになりました。
スタジオには韓国のKBSテレビなど2局もテレビカメラが入っていました。韓国でも放映されるそうです。

  待機と準備で4時間待たされた後、いよいよ本番です。何度も練習した拍手で大統領を迎え、番組が始まりました。大統領は非常にまじめで、気さくに質問には答えてくれました。私たちは一生懸命手をあげましたが、指されることもなく番組は終わってしまいました。
残念ながら自然農業の宣伝にはなりませんでした。ただ私としては参加して、韓国大統領と身近に接することが出来ました。またテレビ番組を作るための段取り、スタッフの役割分担など見事なもので、今後協会で行事を行うに当たって非常に勉強になりました。膳場キャスターはテレビで見るよりすごくきれいでしたよ。

  夜、番組を見て、さらに感心しました。よく編集されていました。質疑応答の部分はほとんどそのままでした。大統領の背側に座った宮尾さんと湯浅さんはよく映っていました。
その反対に大統領の正面に座った小関さんと私は大統領や草薙剛の顔はよく見えましたが、一番後ろの列でもあったので画面には全然映っていませんでした。
 しかしよい経験をさせてもらいました。

新しい単行本の製作に入りました

今年新しい自然農業の単行本を発行します。出版社は創森社(そうしんしゃ)という農業関係の本をよく扱っている東京の出版社です。創森社から本を出版している秋田の佐藤喜作氏からの紹介で、出版が実現しました。

 対象は農家、農業関係者だけでなく、家庭菜園を楽しんでいる非農家の人達まで含みます。そこで自然農業を誰でも取り組めるように、土着微生物の採取、培養の仕方や天恵緑汁の作り方などを、「土着微生物を活かす」よりもさらに丁寧に解説した本にする予定です。実際に取り組んでいる農家の方たちの紹介もします。

 原稿を書かなくてはいけないのですが、季節はまさに天恵緑汁を仕込む時期です。まずは写真撮影という事になりました。
 4月19日は熊本県水俣市の新田九州男さんのお宅でタケノコの天恵緑汁と土着微生物のボカシ肥作りの撮影を行いました。

 新水俣駅でカメラマンの山本さんと合流し、新田さんのお宅へ行きました。家の前の倉庫兼作業場へ行くと、新田さんが朝採ってきた孟宗竹がトラックの荷台にたくさん積んでありました。挨拶もそこそこに早速山本さんがシャッターを切ります。私もホームページや事務局ブログで紹介するため、デジカメで撮ります。

 大きなカメに大きなまな板を渡して、タケノコを刻みながらカメに入れていきます。それに黒砂糖をまぶすように入れます。大量のタケノコが新田さんによって刻まれてはカメに入れられ、黒砂糖がまぶされます。それを上や横から山本さんが写します。倉庫の中は暗いので、私のような素人は自動にしてフラッシュをたきながらの撮影ですが、プロカメラマンの山本さんは違います。フラッシュをセーブするためのカバーをつけての撮影です。
光の加減を調節して被写体を撮るのがプロなんですね。

 次はボカシ肥です。まずは倉庫の横の大きな水溜めの横にあるコンクリートの風呂桶のようなところで混合する水を溜めます。約500リットル入るそうです。そこにワカメの天恵緑汁、海水、糖蜜を入れます。ホースで外のボカシを作る場所に送ることが出来るように作られています。


 ボカシを作る場所は屋根があり、すでに米ぬか、油粕、魚粕などが用意されていました。これに土着微生物の元種、燻炭などが混合され、ホースで先ほどの混合水がまかれます。それを新田さんがユンボで混ぜるのです。約2トン作るそうです。水を混ぜながら、切り替えしていきます。約1時間の作業でした。
 奥さん手作りのちらし寿司の昼食をご馳走になって、午後からはみかん園での撮影です。今は河内晩柑がちょうど収穫時期で、樹に実っている所が撮影できます。
 車でみかん園に移動し、適当な場所を探して撮影です。息子さんと一緒に写真や河内晩柑を持ったバージョンなど様々撮りました。
 おみやげにタケノコと河内晩柑をいただきました。新田さんお世話になりました!