2011年1月21日金曜日

澤村輝彦さん(肥後あゆみの会)の農場見学をしました

 トマトハウスを自然農業で3町


 1月18日、作本さんに続いて不知火町の澤村輝彦さんの農場を見学しました。澤村さんは「肥後あゆみの会」という組織を作って、仲間と一緒に販売を行っています。澤村さんは主にハウスでトマトを栽培しています。

 澤村さんのハウスへ行くと、ちょうど自然農業の資材散布の作業をしていました。中に入ると漢方薬にいい匂いがします。澤村さんは通路を急ぎ足で移動しながら、動力噴霧器でトマトの木に散布していきます。






 作業が終わって、お話を伺いました。散布していたのはアケビとトマトのわき芽の天恵緑汁と漢方栄養剤でした。ここは黄化葉巻病が多いので、予防として5日おきくらい天恵緑汁玄米酢を散布しています。それにときどき漢方栄養剤も混合しています。「去年受けた専門講習会で趙先生が、漢方栄養剤には殺菌効果もあると言っていましたので、混合しています」との事。

 澤村さんはハウスを3町経営しているので、人を常備10人くらい雇って管理していますが、この散布作業だけは自分でやるそうです。「やってて楽しいんですよ、農薬と違って防護服もいらないしね」そして「私は量より質、味の良さを求めています。消費者の健康のためでもあります。」自然農業に取り組んで、その成果を実感し、農業が楽しくなったそうです。 ハウスのトマトの葉は、濃い緑ではなく、鮮やかな黄緑色です。実は中ぐらいの大きさで、3個から5個くらいつけています。伸びた枝を横にずーっと這わせていく栽培方です。これなら、つねに高さが一定なので作業が楽です。






 通路には稲ワラが敷き詰められています。これで根を守り、微生物を育て、土つくりをしているのです。










これから6月まで、20段から25段まで収穫していくそうです。ここは元は塩田だったところを干拓してできた農地なので、塩分のせいで育ちが悪いそうです。奥の方はさらに塩分が濃くて実の太りが悪いそうですが、そのかわり糖度は高いので「塩トマト」として売っています。小さくても1個100円です。

 昼食のときに味見させてもらいました。皮は厚いけれど甘みがあってとってもおいしかったです。トマトジュースもいただきました。何も入れていないそのままのジュース。濃くて甘みがあり、これもおいしかったです。「大事に育てていますから、捨てる気持ちになれないんです。出来たものは加工してすべて売ります」と澤村さん。熱い思いが伝わります。

 浅植えで根の潜在能力を引き出す

 見学者の方がトマトの根元を見て「えらい浅植えやな」と言いました。写真のように、盛り上がった根っこが見える程です。「自然農業は根の力を引き出すということで、浅植えなんです。ほとんど置く感じで、少し土をかぶせる程度。甘やかさず、根が養分がある方へ、自分から伸びていくように仕向けるわけです。そうすると長期間の収穫にも耐える丈夫な根に育つんです」

 無農薬のパール柑畑

 昼食後、「肥後あゆみの会」の仲間である中川泰晴さんの畑を見学しました。ゴルフ場のある山を登って見晴らしのいいところにその畑はありました。きれいな黄色の大きなミカンがいっぱいなっています。熊本ではパール柑と呼んでいるみかんで、文旦の仲間です。

                           「みかん作りには色々と苦労をしてきましたが、自然農業の基本講習会を受け、水俣の新田九州男さんにご指導いただき、現在では無農薬で栽培できるようになりました。有機の認証を受けて、販売先も安定しており、助かっております。味が年々よくなっていくのがうれしいです」と中川さん。

 そろそろ収穫時だというパール柑を、さっそくその場でいただきました。さわやかな酸味の中にほんのり甘みがあります。キロ250円くらいで販売しているそうです。
 一緒に来てくださった、同じ仲間の松本さんのポンカンと一緒に、おみやげも用意してくださいました。ありがとうございました。熱心なみなさんの姿勢と、忙しい中丁寧に応対していただき、感激しました。改めて学ぶところが多かった見学会でした。

2011年1月20日木曜日

作本農園を見学しました


 1月18日、愛媛の平岡新太郎さんのグループを案内して、作本弘美さん、澤村輝彦さんのグループの農場見学をしました。平岡さんが住んでいる久万高原町直瀬のお米のグループで15名がいらっしゃいました。今回はお米の研修という名目ですが、自然農業について見学したいという事でしたので、それならお米が主作物ではないけれど、熱心に自然農業に取り組んでいる農家という事で、作本さんと澤村さんにお願いしました。

 前日松山でフェリーに乗り、早朝5時に小倉に到着、バスで九州自動車道を熊本へ向かう途中、私(姫野)を拾ってもらい合流、バスの中で事前に自然農業やお二人の取り組みについて紹介しました。
松橋インターの出口に作本さんが迎えに来てくださり、さっそく作本農園の堆肥場へ案内してもらいました。

河川敷の刈り草や枝で堆肥

 この堆肥場には、河川敷で刈った草や木の枝などが持ち込まれ、積まれています。




























これを時々切り返しておくと、次の写真のようにだんだん分解されていきます。これはその山に草が生えている写真です。
















 そして、3年ぐらいたつとこのように土のようになってしまいます。たった3年でこうなるとは! 土着微生物のすごさですね。作本さんは、この堆肥をぼかし肥料をつくるときに1割くらい混ぜているそうです。




「市は処分に困っているものですから、私が場所を提供して喜んでもらっています。切り替えしは業者がやってくれるので楽です。」と作本さん。工夫次第で、有機物の堆肥も省力で出来るのですね。





おいしい野菜を作る工夫

 次に畑の見学です。この時期は農作物も少ないとのことでしたが、これはにんにくです。種を冷蔵庫に2週間くらい入れておくと、植え付けたら、早く芽が出ます。そうやって、収穫時期をずらして出荷しているそうです。








 これはネギです。以前、作本さんに送っていただいたネギがとても甘くて、おいしかったのを覚えています。やはり消費者に人気だそうです。
 土着微生物のボカシ肥料が効いています。






















 これは納豆工場からもらった、検品で使用して破棄される納豆です。食べてもかまわないくらい新鮮なものですが、これをただ同然でもらってきて、ボカシ肥料を発酵させる活性水に投入します。







この活性水には他に、酪農農家からもらってくる初乳も入れるそうです。初乳も捨てられるものなのですね。これで乳酸菌も補給するわけです。

 この他に混合しているのがくず大豆です。家畜のえさとして使用されるものですが、これも安く仕入れて、ボカシ肥料の材料にしています。


 作本さんは、上手に材料を手に入れて、そして質の良い肥料作りをしているのです。


 この後、干しレンコンや、粉レンコン、節の乾燥させたものなど、加工をして「ほぼ100%」 収穫したものは販売する、というお話を伺いました。正品として出せないB品を加工していたものが、最近では人気で足りないくらいになっているそうです。「安く価格を付けていますからね。でも欲を出さないのがいいと思っています」これが作本さんの販売哲学です。

2011年1月15日土曜日

自然農業の農産物はおいしい!!

 あるがたいことに、会員の皆さんから事務局には、収穫されたばかりのおいしい農産物が届きます。その気持ちに感謝するとともに、いつも思うのはその「味の良さ」です。
おいしいイタリア野菜
 これは、昨年夏、田んぼクラブでお世話になった福津市の花田さんのイタリア野菜です。色々な種類のズッキーニと、後ろのオレンジ色のはカボチャです。このカボチャはでっかくて、ひとつで大きなスイカ2個分くらいです。煮物ではなく、薄く切って炒めたりします。
 花田さんの野菜を買っているイタリア人シェフが、田んぼクラブの収穫祭のときに料理をしてくれましたが、このカボチャを使って作ってくれたリゾットが絶品でした。オリーブオイルを使って、中火より弱めの火でじっくり炒めて作ります。
 ズッキーニは、韓国のホバックに似ていいるので、私はときどき韓国風にジョンにしたり、汁物に入れたりもします。
 ともかく、甘くておいしいのです。
自然農業のリンゴです
 次は福島の畠さんのリンゴです。畠さんはいつも秋になると、様々な品種のリンゴを送ってくださいます。品種別に目印のシールがはってあります。
 今年は天候のせいで、だいぶ苦労したようです。赤いのはフジです。さっぱりとした味の中に甘みがあり、後口がいいのです。
 次は、山形の小関恭弘さんのお米です。事務局では「天恵農場」のマーク入りの米袋を販売していますが、一番使用しているのは小関さんのグループ「おきたま自然農業研究会」です。小関さんはお米の食味コンクールで毎年受賞する程、味の良さは認められています。
これは300グラム入りの白米、玄米、もち米の詰め合わせです。こんなご進物はいかがでしょうか?
おもちもあります。
下の写真は、2㎏入りの米袋です。これは、デザインを自分で作って、パソコンでプリントアウトしたものです。専用の用紙があるのですね。これなら、自分で工夫して袋が作れます。事務局で現在扱っているのが、5㎏入りと30㎏入りなので、ときどき、2㎏入りはないか、と言われることがあります。注文の枚数が多くなければ印刷代がかかるので出来なかったのですが、これなら、少数でも出来ます。