2009年6月30日火曜日

竹チップの発酵肥料はお奨めです! 池内玲子

 石川県の池内玲子さんが、竹チップの発酵肥料を使用して、とても良い成果が出ているそうです。原稿と写真を送ってくださいましたのでご紹介します。


竹チップの発酵肥料はお奨めです! 池内玲子


 我が家の周りの山々も、年々竹が勢力を増し、このままでは木が無くなってしまうのではと本気で思っています。素人考えで、竹の根そのものが他の気の邪魔をするのかと思っていましたが、竹の地面はアルカリになってしまう、杉などが生きられなくなると聞きました。
 金沢大学角間の里自然学校でも、静岡の松尾さんの機械で竹チップを製造し、燃料用ペットなど作られましたが、実用には程遠く、私は発酵肥料を作ることを提案しました。そうしましたら実際に作ってもらうことが出来、昨年、自然学校で夏野菜の栽培に使ってもらったところ、慣行栽培のものと比べ格段の差が出たとのことです。
 昨年の暮には竹林のハンペンを入れ、大量に仕込みました。私個人でも、昨年の作柄は上々でしたので、暮れに竹チップ、マグロ粕、貝化石などでカルシウム肥を仕込みました。
 竹チップは植物マルチとして使用しても、とても良い結果が出ております。例えばバラの根元にマルチをして、昨年は夏の黒点病を防ぐことができました。
 問題はこの竹チップを製造する機械が高価なことです。二五〇万円は、家庭菜園程度の規模では無理ですね。
 
今年の成果を写真でご紹介します。成り物にはとても良い結果が出ました。
葉物はご覧のように、大きく分厚い葉のバリバリになってしまいました。

バラの花には良い結果となりました。
ともかく。竹チップの発酵肥料は質の良いものが取れるようです。

2009年6月29日月曜日

千葉県勉強会がありました(3)

若い力が加わりました 宮崎憲治さん



 次に移動して銚子の宮崎憲治氏のほ場を見学しました。ハウスでトマトを栽培しています。最近宮崎さんはお父さんを亡くされ、農作業が大変だそうですが、二番目の息子さんが一緒に農業をやるようになったそうです。若い力に期待が持てますね。
 販売は有機農産物の宅配会社「らでぃっしゅぼーや」に出荷しています。







 トマトの品種は「麗香」。色も良く、実がしっかりしています。病気にも強いそうです。


 今年の冬、あまり寒くなかったせいで、ボトと呼ばれる灰色カビ病が出て困っているそうです。伺ったときは、奥さんと息子さんが葉を取る作業をしていました。葉先が枯れると、そこからボトが入るそうです。ボトが入るとボトボト実が落ちてしまう、という事でボトと呼ばれているそうです。




 玄米酢の散布で進行はだいだい押さえられたとの事でした。








 隣のハウスはそれほどボトは入っていませんでした。ハウスの環境で全然違ってくるそうです。

 さっそくトマトを試食させていただきました。瑞々しくて、とてもおいしかったです。






 宮崎さんは珪酸カルシウムを散布し、第一PK,第一PCaも散布したそうです。葉面散布は午前中に終わらせる方が良いとの事です。夕方行って、夜まで水滴が残っていると、病気の原因になるそうです。




見学が終わった後は八日市場の居酒屋で交流会をしました。次々とおかずが出されてびっくり!食べきれない程でした。
 皆さんお疲れ様でした。

2009年6月27日土曜日

千葉県勉強会がありました(2)


 おいしい! 土屋さんの人参


 次に見学したのは人参畑です。もうほとんど収穫され、少ししか残っていませんでした。収穫してはねた小さい人参をいただいて食べてみたら、カキみたいに甘くておいしかったです。


 栽培の概略は、自然農業の基盤造成処理をしたあと、土着微生物のボカシ肥rを散布して翌日1月11日に種まき。最初はトンネル栽培。ボカシには竹の粉と燻炭も入れました。竹の粉は現在試験中です。面積は8畝で、上記肥料は20kg袋で8袋くらい使用。

 堆肥に使う落ち葉は、公園の落ち葉をシルバーの人に集めてもらって積んでおいてもらっています。1~2年置いて使用します。

 3週間で芽が出る。3月末に間引きをする。トンネルのビニールを取って、追いまきをする。


2本立てで収量50%増!


 周囲では1本立てが多いそうですが、土屋さんは2本立てにします。つまり一つの穴に二本立てるという事。肥料のせいか大きくなりずぎるので2本立てにしたそうですが、多少B品は増えるが収量は50%もアップしたそうです。反当5トン半ぐらいとれるそうです。周囲では3~4トンが普通だそうです。

 また、自然農業栽培によって、人参の質があがったと言います。形も人参の先がとがらず、まるみをおびています。

 土屋さんは房総食料センターという組織を通して販売していますが、無農薬栽培は価格も約20%高く買ってもらっているそうです。


イチゴは観光摘み取り販売


 最後はイチゴのハウスを見学しました。もう収穫も終わり、これから次の作業に移るところでしたが、栽培の概略を伺いました。

 品種はトチオトメ、アキヒメそれに千葉県の品種でフサノカ(房の香?)が少しあるそうです。畦は腰近くまで高く作ってありました。以前は終わると、壊して堆肥を入れ、また畦を立てていたそうですが、現在は通路にワラや落ち葉、もみがらなどを入れてボカシ肥を入れ、そこに畦を作るようにして、楽になったそうです。


 防除は同じくモミ酢、玄米酢の散布です。唐辛子液に使用した唐辛子は栽培したハバネロという非常に辛い品種でした。ときにはキャノーラ油液(キャノーラ油に卵黄を混ぜて製造する)も散布して、それなりの効果が得られたそうです。


2009年6月26日金曜日

千葉県勉強会がありました(1)












 土屋喜信氏のほ場見学








 6月17日、千葉県勉強会がありました。横芝駅前に集合し、まず土屋喜信氏のほ場を見学しました。小高い丘の上にある畑にナスが栽培されていました。品種は「千両2号」。面積は8畝です。


 土屋さんは同じほ場に連作はしないそうです。このナスの畑も3年に一度だそうです。昨年はソルゴーを植えていたそうです。「手が足りないから」との事ですが、輪作体系でゆっくりと自然農業栽培を実践しているようでした。
 マルチとして敷いてしるのはコーヒーの袋です。隙間もあるし、コーヒーの香りに虫の忌避効果も期待できるそうです。



 たいていの病気や虫は天恵緑汁と玄米酢、もみ酢、唐辛子の焼酎液などの散布で大丈夫だそうですが、ナスナガスネトビハムシに少しやられていました。この虫は小さな粟粒くらいの虫で、チッ素分が少ないと出やすいそうです。










 肥料はワラ、落ち葉、モミガラ、鶏糞を土着微生物で醗酵させたボカシ肥を定植前に施したそうです。



ナスの間にコンパニオンプランツとして枝豆や落花生を植えていました。



畑の入り口にはソルゴーが植えてありました。これは防風のためでもありますが、虫除けの効果もあるそうです。

2009年6月25日木曜日

日本巨峰会と会談しました




 6月16日、東京新宿で日本巨峰会との会談がありました。出席されたのは代表取締役の赤坂芳則氏、取締役の恒屋冬彦氏、後藤芳宏氏です。

 赤坂氏は宮城県仙台市の近くで主に稲作を行っておられ、果樹も巨峰ほか各種栽培しておられるそうです。恒屋氏は恒屋棟介氏のご子息で研究者です。後藤氏は農援隊という農家をサポートする仕事を熱心になさっておられ、大井上先生の講演録や「家庭菜園の実際」の復刻なども行いました。

 日本自然農業協会は宮崎会長が会議で出席できず、姫野一人でした。

 写真は左が恒屋氏、右が赤坂氏。


 同じ栄養週期を栽培に活かしている会同士、今後大いに交流して行きましょうという内容でした。


 具体的には、まず、両団体の会報誌にこの事を発表する事。入会案内をお互いに行う事。両団体の勉強会など行事を知らせ、積極的に参加する事。などです。


 とりあえず、今年の総会及び全国大会(9月3日4日、新潟)で、赤坂会長に講演をしていただくようお願いしました。

海老名畜産の豚舎を見学しました

広い肥育豚舎に豚がびっしり!

 6月16日、神奈川県愛川町の海老名畜産の豚舎を見学しました。








   前回、見学したときは、まだ畜舎が出来たばかりで、子豚が少し入っているだけでしたが、その後全ての豚房に豚が入り、現在は2800頭入っています。




















 前回、敷き料の大きさに問題があるのではないか、という見学者の意見がありましたが、チップをさらに小さいものにしたそうです。



 醗酵中の敷き料は土着微生物のせいで、この写真にようにキノコが発生していました。












 豚舎の床をひろって臭いをかいでも、全然臭いません。こんなに鼻まで近づけても、全然臭いません。土着微生物の力はすごい!






 豚の健康も良いし、肉質も良いとの事です。
右が松下社長、左は自然豚舎を管理している女性写真の方です。