2011年9月13日火曜日

内野樟脳さんを訪ねました

伝統技術を守る内野樟脳
先日、みやま市の内野樟脳さんを訪ねました。事務局のある筑後市から車で15分くらいの場所です。私の親戚のおばちゃんの紹介で訪ねることになりました。そのおばちゃんが畑を貸している方が内野樟脳で働いていらっしゃって、自然農業にも関心があるという話から、訪ねることになりました。









 その方は藤井さんと言いますが、話を伺っているうちに、以前私が住んでいた神奈川県藤沢市の食生活研究会が、その内野樟脳で出来た樟脳の販売を大部分受け持っているということが分かり、驚きました。食生活研究会には藤沢市に住んでいたとき浅井まり子さんをはじめお世話になった団体です。そう言えば、樟脳を使いましょうという運動をしていたのを覚えています。しかし場所は鹿児島県ではないかと思っていました。

 樟脳は昔はとても大事な産業の一つだったようです。薩摩藩など、その収入が大きかったそうです。それで原料となる楠(クスノキ)が多く植林されたそうです。それがナフタリン等の合成化学製品にとってかわられて、現在ではほぼなくなってしまいました。九州で2軒、それも明治初期から続けている所は内野樟脳さんだけだそうです。





 工場が近づくにつれ、樟脳独特の香りがしてきました。伝統的な古い建物の前に大きな木が積んであります。





















 内野樟脳さんは現在五代目。左が藤井さんで右が五代目の内野和代さんです。
















 原料のクスノキを大きな金鋸でけずります。 大きめのチップ状にします。




















 それを大きな釜で蒸します。その水蒸気を水で冷やして液に精製します。焼酎のような工程です。


 釜の燃料は、蒸して蒸留したくずを乾燥させたものです。電気やガスは一切使っていないそうです。昔ながらのやり方を守っているのですね。
あがった蒸気がパイプを通って冷却されますが、溜めてあるこの水は井戸水です。 この下にパイプが通っています。















 それをこの大きな樽状の容器に入れて、圧力をかけて、液体と固体に分けます。
































 この白い固体が樟脳です。約6トンの原料木から40~50㎏の樟脳がとれるそうですが、出来上がるまでに約一週間かかるそうです。



大変な作業をして、わずかな量しかとれない樟脳。貴重ですね。

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