2009年4月29日水曜日

ブラジルへ行ってきました(4)

 JICAのプロジェクトの仕事が終わった後、今回案内をして下さった高松さんが住むパラ州トメアスーに行きました。トメアスーはパラ州の州都ベレンからバスで5時間くらい南に下った所です。日本人が約300所帯居住しています。高松さんは比較的最近入植されたグループで、こちらに来て35年くらいになるそうです。



 左の写真はベレンからトメアスーに向かう途中、アマゾン川の支流を渡るフェリーです。  支流でもこの広さ、アマゾン川は大きい!!




 トメアスーに日本人が入植してから今年で80年になるそうです。最初は森を切り開き、畑にピメンタ(胡椒)を植え、戦後の胡椒景気に乗って、非常に儲かったそうです。組合も作られ輸出されました。










 ところが大面積の単一作物栽培がたたって病気が蔓延していまいました。別の場所を開墾して植えても、うまくいきませんでした。なんとかそれを克服しようと、研究した結果、様々な果樹と木を混植するアグロフォレストリーに行き着きました。

 トメアスーに着いた翌日、朝7時に農協の前に集合し、車で7軒の農家を訪問しました。アグロフォレストリーの取り組みは様々で、胡椒とアセロラ、バナナなどの混植もあれば、ブラジリアンココナッツのような大きな木とクプアスーやカカオなどの果樹の組み合わせもあります。



これがピメンタ(胡椒)です。支柱にからんでいく蔦性の植物です。 最近はアマゾンの森を守るために、支柱用の木材の伐採にも規制がかかるそうです。そのため生木にからませていく方向などが試みられていました。



















これはクプアスーという果樹です。クプアスーの白いジュースは甘くてとてもおいしい!!






  アグロフォレストリーは 様々な作物、果樹を植えることで、土中の微生物が多様化され、健康に育つのではないかと思います。また、ピメンタ(胡椒)は(特に初期生長期に)日陰が必要なのだそうです。そこで生長の早いバナナなどのそばに植えて強い太陽光線をさけると良いわけです。作物の性質や自然を活かした、自然農業にも通じる考え方だと思いました。

これは森を散歩しているように見えますが「畑」を回っているのです。ブラジリアンナッツとカカオなどの果樹の組み合わせです。




この方は除草剤を使用せず、豆科の植物で草生栽培を実施していました。

非常に良いそうです。











これはアサイーという椰子科の果樹です。ふさのようになっているところに濃い紫のベリーのような実がつきます。それを絞ってどろどろのジュースのようなものを取り出します。
 アマゾン川流域の人たちは食事のときに、このアサイーにキャッサバの粒を混ぜて食べたり、水でうすめてジュースにして飲んだりします。
 最近はポリフェノールの含有量が非常に多いという事でアメリカなどで人気になり、輸出作物になりました。








 この方はバナナの葉を有機物マルチに使用するために、ピメンタやアセロラなどの間に植えています。バナナの葉っぱは広くて効率が良いのです。マルチした枯れ葉の下をはぐってみると、白い菌がはしっている所もあり、ミミズを始めとする小動物がいっぱい発生していました。





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