2008年11月11日火曜日

固城郡の収穫祭に参加してきました


郡をあげて自然農業に取り組む固城郡



 去る10月韓国慶尚南道固城郡の「生命環境農業稲作初収穫祭」に参加しました。固城郡は郡守の李鶴烈氏が自然農業の導入に熱心で、郡をあげて取り組んでいるという話は聞いていました。しかし実際に現地に行ってみてその取り組みの徹底ぶりに驚きました。 左の写真は農業技術センターの正面玄関ですが、左の横断幕には「生命環境農業は大韓民国の農業革命であり、希望です」と書いてあります。


 次の写真は農業技術センターの「生命環境農業技術研究所」の建物です。別に部署を設け、研究所を作ったのです。生命環境農業というのが自然農業のことです。









   よく見るとあちこちに「2008年は生命環境農業の基盤造成の年」と掛かれたポスターが貼ってあり、センターの車にも、さらに職員の制服の胸ポケットにも同じキャッチフレーズが書いてあるのです。






























これは生命環境農業研究所の中の展示ハウスです。天窓のある自然農業式のハウスの中に資材やパネルがずらりと展示してあります。





 研究所で自然農業資材を共同作業で製造し、保管します。各家庭でも天恵緑汁などは製造されています。






 左の写真は魚のアミノ酸です。天恵緑汁でも漢方栄養剤でも、このようにふたの和紙の上にわらを丸めて置いておくと発酵が非常に良いそうです。











 これは米ヌカの袋の山です。土着微生物を培養するために集めたものです。来年の基盤造成に使用される予定です。











生産費は60%削減、収量は6%増収、価格は約2倍!
  会場に行く前に趙先生が田んぼへ案内してくださいました。取り組んだ田んぼは郡内16ヶ所で、全部で163ヘクタールですが、その中の一つです。趙先生が自ら田んぼへ降りて、イネをさわりながら「見て御覧なさい、すごいでしょ!」とやや興奮ぎみです。見るとイネは分げつも20~23本あり、粒数も多いのです。






 道ひとつ隔てた隣の慣行栽培の田を見ると、その差は歴然としています。除草はタニシとドジョウの投入で行われました。見渡してもヒエ一本生えていません。きれいなものです。
農業技術センターの報告書によると、収量はこの地域の平均的な収量が反当427㎏なのに対し、自然農業のイネは平均506kg.でした。約6%の増収です。農薬や化学肥料は使用せず、自然農業の資材(土着微生物、天恵緑汁、水溶性カルシウム、漢方栄養剤など)だけで栽培していますので生産費が60%削減され、反当54,445ウォン(約4,080円)しか掛からなかった。
 この自然農業で栽培された米は、固城郡の農協を通して慣行農法の米の2倍近い価格で販売されます。この行事の日にホームページも立ち上げられネット販売が始まりました。

 行事には地域の方だけでなく周辺からも参加があり、1000名近く集まりました。KBS,MBCなどテレビ局や新聞社の取材陣も来ていました。
 舞台で演じられる伝統舞踊では歌詞に「生命環境農業のイネを植えましょう」などと替え歌になって演じられました。






この地域への貢献を讃えて、趙漢珪先生は固城郡の名誉郡民証がこの日授与されました。

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