2009年9月13日日曜日

韓国自然農業視察ツアーに行ってきました(2)

 自然農業に取り組んで2年目の成果

 研究所の職員の方から固城郡の取り組みについて説明を受けました。固城郡が郡をあげて自然農業に取り組んで、今年は二年目。昨年は天候に恵まれ、技術的に低い人でも豊作だった中、自然農業の田んぼでも良い成果を上げました。しかし、今年は梅雨の時期に雨が少なく、その後は大雨が続き、日照不足でした。一般的には出穂が遅れ、生育が思わしくありませんでした。しかし、自然農業に取り組んだ所では、例年通りの生育で、収量も期待できるとの事です。

 さっそく近くの田んぼへ行って見学しました。そこでは、慣行栽培、(国が奨める)親環境農業栽培、自然農業栽培と2~3反ずつ分けて実施されていました。
  同じ日(5月25日)に田植えをしたのに、確かに説明通り、慣行栽培のところではやっと穂が立ってきた段階、    
親環境農業ではバラつきが見られました。
  



























 しかし自然農業栽培の所では、もう穂が垂れ始めていました。分げつは20~25本くらい、粒数も120~140粒くらいありました。 品種はみな同じ「東進1号」という韓国で開発された品種で、固城郡でもっとも多く取り組まれている品種です。


















  これは農業技術センターの車です。車体の横と後ろには「生命環境農業で緑色成長を」というロゴがはでに入っています。
 お米を中心に、果物や野菜の写真も転写あちあります。
 職員の制服の胸ポケットにも「生命環境農業」のロゴが入っています。

 米の収量は昨年で、6~20%多かったそうです。販売は農協を通して販売していますが、30%高い価格で買い上げられています。お米の袋の裏には、土着微生物や天恵緑汁など活用した自然農業の栽培を紹介する写真が、栽培過程に沿って表示されており、熱の入れようが伝わってきます。
 最近は管内の学校給食にも使用されているそうです。

命がけで取り組んでいる郡守、李鶴烈氏

  翌日、郡庁を訪ね、郡守の李鶴烈氏に会いました。取り組むに当たっての苦労話の後、「今まででもっとも大きな出会いは趙漢珪博士との出会いです」と言われました。それを聞いて趙先生も思わず涙ぐんでいました。




 固城郡での取り組みには趙先生も全てを傾けてバックアップしたのです。

 韓国の李明博大統領も固城郡を訪ねてきたそうです。その時の大統領の話が紹介されました。大統領がまだ候補者だったとき、趙漢珪先生の研究所を訪ね、趙先生のセミナーを受け、一晩語り明かしたそうですが、「その時はまだ半信半疑だった。しかし、固城郡へ来て現場を見て、信じることが出来た」と感心して話してくれたそうです。

自然農業に取り組んで7年のキウィーフルーツ
 次にキウィーフルーツを見学しました。ここは自然農業に取り組んで7年になるそうです。雨よけハウスの入り口には有機農産物の認証を受けた看板が掲げられていました。
 ここの主人が熱心で、すばらしい成果を上げたのを見て、郡守も自然農業に惹かれていったそうです。

左のタンクは自然農業でも大事にしている薬水のタンクです。これが2つありました。右の写真は海水のタンクです。1トンくらいのタンクが3つありました。


下の写真は燻燃機です。もみがら燻炭を作り、その過程でもみ酢を採取します。さらに水溶性リン酸カルシウムを作るための豚や牛の骨も、一緒に入れて焼くそうです。これらの資材作りの装置も郡の援助を受けているそうです。うらやましい限りです。
 ここのキウィーは12農家がグループを作り、馬山市のデパートと契約して出荷しています。11月に収穫したキウィーはチルド保存し、8月くらいまで出荷するそうです。わたしたちも保冷庫から出してもらい、試食させていただきました。甘くてとてもおいしかったです。保冷庫から出して3日目くらいが一番おいしいそうです。









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