2009年9月19日土曜日

韓国自然農業視察ツアーに行ってきました(3)

固城郡に次ぎ、谷城郡も取り組む

 次ぎに訪ねたのは全羅南道谷城郡でした。こちらも郡の所有するバスに職員を付けた迎えが来ました。趙先生が事前に準備したとはいえ、ここまで行政がしてくれることに、またびっくりです。夕食の歓迎会には郡守と副郡守まで出席して、私たちを歓迎してくれました。さらに、宿泊場所はホテルではなく、郡守が自宅に住んでいるため、迎賓館として使用している官舎でした。





 翌日まず訪ねたのは谷城郡の農業技術センターでした。ここにも自然農業の資材作り実習のためのハウスがありました。


 担当の職員の話によると、センターは技術指導と保管だけで、作るのは農家自身とのこと。天恵緑汁や漢方栄養剤、土着微生物の元種作りなどを行っており、できたものを入れたかめがずらりと並んでいました。



















 床に黄色いふたがあるので、何かと思って尋ねてみると、ふたを開けて見せてくれました。なんと海水の保管庫だったのです。自然農業では海水は必ず活用します。各農家でもこのような保管庫があるといいですね。






 次ぎにほ場の見学に行きました。1坪当たりの植え付け本数の試験が行われていました。50本、55本、60本、65本などです。今まで密植だったのを自然農業では粗植栽培になるので、試験を行っているわけです。職員の話では「45本でも大丈夫のようだ」と話していました。


















  さらに、印象的だったのは様々な品種の試験ほ場で、1トン採りという多収穫品種の話でした。「北と統一されたら、まず大量の食糧が必要になるので、味よりも多収穫の品種栽培が必要になるからです」

 日本で暮らしていると、北朝鮮は独裁政権で困った国といった 印象しか持ちませんが、韓国では分断された祖国の統一を願っているわけです。それに対し、すでに具体的に準備しているわけです。

 北朝鮮の体制が壊れたりしたら、日本にも多くの人たちが難民となって押し寄せてくるのではないかと思いますが、日本では民間も政府レベルでも、どう対処するか、考えられ、準備はされていないように思います。

連作障害も克服



 次ぎに訪れたのは、サンチュを作っているハウスでした。ここでは一番の問題が連作障害だそうです。それを防ぐために、稲を植えるなどして対処してきましたが、土着微生物の施用等、自然農業に取り組むようになって、それがなくなってきたそうです。
 最近メロン栽培も始めたそうですが、今年台風の被害を受けてしまったそうです。ハウスのビニールが吹き飛ばされて、周囲の農家では皆放棄してしまったそうです。そこへたまたま訪れていた趙先生に事情を話したところ、こうすれば大丈夫と処方されたそうです。半信半疑でやってみると、見事に回復したそうです。そんな話を一生懸命話してくれる主人の顔は喜びで一杯です。




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